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2021年12月13日

「終の地と決めて歩けば天高し」2021年12月入選作品|老友俳壇

老友新聞2021年12月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

終の地と決めて歩けば天高し

近藤 貞子

この地に至るまで何度も住所を変えた人、ここを最後と決めて生きる覚悟が清々しい作品です。「歩けば」は単なる歩行にとどまらず人生の歩みをも示唆しているのかも?季語がこの先の穏やかな日々を予見しているようです。

かさこそと風と遊べる落葉かな

岸 慶子

風で音を立てて移動する落葉を風と遊んでいると見たのです。童ごころが生んだ楽しい作品です。活力も失せた筈の落葉ですが、その命よみがえったかに思えます。

秋風や転がるように老いて行く

稲田 知司

歳をとるほどに一年が早く過ぎるように思えるもの、「転げるように」とは心身の衰えに抗えない高齢者の実感でしょう。長寿社会といえども老いを止めることは出来ません。

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