３月は特選が３作品と無審査１作品が選ばれました（編集部）

特選

丸山　茂保

読み＝冬嶺孤松は秀ず
今回のご出品作はいままでの作風と異なり、九十歳というご高齢ですが、書線は鮮やかに筆鋒活躍し字体も端正にして韻致高き作に仕上がっております。
この調子で練磨されますと間も無く無審査となります。

飯塚　英子

読み＝物薄情厚（人への贈りものやご馳走が薄く粗末でもその心は厚い）
「情」字の字形が稍不安定でしたが、一文字ごと確りと丁寧に書してしっとりとした書線に妙味があり、語句の意である厚い心を表現されているように思われます。
真面目な学書態度も書線に窺え特選とします。

外丸　暁峰

読み＝宇宙洪荒
落款は書と記してありますので自運書とし評価させて頂きました。
「宙」字が稍傾き、安定を欠きましたが、全体的には運腕も気宇も大きく運筆されて生き生きとし切れ味良く、筆脈の流れは一貫し清雅なる明解な筆致を評価し特選とします。

無審査

栗野　孤舟

今回は隷書にてご出品下さいました。
紙面に対し沈着な運筆で送筆され緻密な用筆は氏独自の形意にて構成法よろしく温和に春を表現されて見事な作品です。