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医療と健康

2021年04月14日

胆石が見つかり「経過観察」。普段の注意点は?

健診で胆石が見つかりました

70歳の女性です。先日、健康診断を受診したのですが、その結果、胆石があると分かりました。
自分ではまったく症状が分かりません。診断の結果も経過観察とのことだったのですが、胆石の大きさが小さいからなのでしょうか。
胆石とは、時間がたつにつれて大きくなる物なのでしょうか。ある日突然、痛み出したりしないのでしょうか。年齢が年齢ですので、がんになるのも怖いです。
できるだけ気をつけたいと思いますので、普段の生活や、食事などで注意する点があれば教えてください。

答え

メタボな人は要注意。年1回は必ず健診受診を

今回は胆石を指摘された方からのご相談です。

胆石は健康診断などでわりと多くの方が指摘されるもので、とくに超音波検査では胆嚢がよく見え、小さな胆石も見つけることができます。私共の健診施設でも、受診者のおよそ4%で胆石が見つかりますが、その多くは自覚症状がありません。

あなたがおっしゃるように、胆石は年齢と共に大きくなったり数が増えたりし、中には胆嚢の中全体が胆石で埋め尽くされるほどになる場合もあります。それでも症状が無く、そのまま問題なく一生を過ごされる人もいるのです。

もちろん症状が現れる方もおり、たとえば小さな胆石が胆嚢の出口からこぼれて、胆汁の通り道である胆管に入り込むことがあります。するとそこで石が詰まり、胆嚢の中が炎症を起こす胆嚢炎を発症することがあり、腹痛や吐き気、発熱など引き起こします。

もっと酷い場合には、胆管に胆石が詰まることで細菌感染をしてしまい、急速に炎症が広がる急性閉塞性化膿性胆管炎という病気を引き起こすこともあります。これは急なショック状態になることもあり、命にかかわるものなので注意が必要です。発熱や腹痛、とくに黄疸などの症状があれば、すぐに病院で治療を受けてください。

胆石を持っている人のうち、胆嚢炎や胆管炎などの合併症を起こすのは、1年の内およそ1~2%で、将来何らかの症状を起こしてしまう確率は15%~50%程度と言われております。長く胆石を患っていて、そのまま安定している場合には、こういった合併症を起こす可能性は低くなってきます。

実際に胆石の治療を行うことになりますと、最終的には胆嚢を摘出することになりますが、最近では開腹手術ではなく、よりリスクの少ない腹部に小さな穴をあけて行う腹腔鏡を使った手術もが一般的です。

胆嚢がんをご心配されていますが、胆嚢に胆石があるから胆嚢がんになりやすいとは限らず、その関連性は正確に解明されておりません。経過を見ながら手術をするかどうかを決めていくことになりますが、万が一胆嚢を摘出することになっても、通常その後の生活に支障を来すようなことはありません。

胆嚢はもともと肝臓から分泌される胆汁という消化液を貯蔵する場所であり、食事をした際など胆汁が必要になった時に、胆嚢が収縮して貯めておいた胆汁をすぐに出せるようにしているのです。ですから、もし摘出してしまっても、肝臓から直接分泌されている胆汁が流れているので、機能不全になることはありません。術後、消化吸収機能が一時的に落ちることはありますが、体が慣れてしまえばとくに問題はなくなります。

胆石ができる原因は大きく分けて2つあり、コレステロールが化学変化を起こして固まる場合と、胆汁の中に入っている色素成分が固まる場合があります。

このうちコレステロールが原因の胆石が全体の7割くらいを占めており、この場合は食生活の影響が大きいと言われております。肥満や糖尿病などから起こりやすいので、いわゆるメタボな人は注意が必要です。肥満解消のため高脂肪食を避けたり、野菜をしっかり摂ったり、規則正しい食生活を送ることが大切です。

あなたの場合、診断の結果、経過観察ということですので、現時点ではとくに様子を見ていて大丈夫ですが、毎年一回必ず健診等を受診してチェックをし、もし症状が出た場合にはすぐに医療機関を受診するようにしてください。

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高谷 典秀 医師
  • 医療法人社団同友会 理事長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック健診協会 理事

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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