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医療と健康

2021年05月25日

「糖質」と「糖類」と「糖分」の違いって何?

我が国は既に超高齢社会に入り、国民の健康志向もかつてないほどに高まっています。そんな中、「糖質オフ」や「糖類ゼロ」などの言葉を多く見かけるようになりました。では、「糖質」「糖類」「糖分」とは、それぞれ何が違うのでしょう?甘さやカロリーとの関係を正しく理解できているでしょうか?今回は、何となく分かっているようで分かりにくい、これらの言葉の意味を整理してみたいと思います。

1.炭水化物

たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素の一つであり、人の体の中で消化されない「食物繊維」と、消化されやすい「糖質」に分けることができます。糖に関連する物質群を表す一番広い意味の用語です。

2.食物繊維

炭水化物のうち、私たちの体の中で消化・吸収されないものを「食物繊維」と言います。消化・吸収されないのでエネルギーにはなりませんが、いわゆる善玉腸内細菌の働きを良くして腸内環境を整えるのに役立つので、私たちの健康維持に重要な物質の一つと言えます。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に使われている難消化性デキストリンも食物繊維の一種です。

3.糖質

炭水化物のうち、食物繊維以外のものが「糖質」です。糖質の多くは、体の中で消化・吸収されてエネルギーになります。ダイエットや糖尿病等によるカロリー制限を行っている方は、糖質の摂取量に気を配る必要があります。糖というと甘いものだけを指すように思われがちですが、でんぷんのようにそのもの自体が甘さを示さないものもあるため、注意が必要です。

糖質はその化学構造の違いから、更に「単糖類」、「二糖類」、「オリゴ糖」、「多糖類」、「糖アルコール」などに分けられます。このうち、単糖類と二糖類の2つをあわせて「糖類」と呼びます。例として、ブドウ糖(グルコース)、砂糖(ショ糖、スクロース)、果糖(フルクトース)、乳糖、麦芽糖などが相当します。一方、「糖類」以外の糖質の例としては、でんぷんなどがあります。

なお、「糖類ゼロ」とうたった商品がありますが、糖類以外の糖質が含まれていることもあるので、注意が必要です。

似たような言葉に「糖分」があります。実は、これにははっきりとした定義がなく、食品中の甘み成分という大まかな意味で用いられることが多いようです。

甘みと言えば、人工甘味料も気になるところです。アスパルテーム、アセスルファムK、キシリトール、ステビアなどの名前は、よく見かけますね。これら人工甘味料は、カロリーがゼロあるいはほとんどないため、ダイエットや糖尿病によるカロリー制限時の甘味料として利用価値が高いものです。人工甘味料に関して人体への安全性が気になる方もおられますが、国内の人工甘味料はいずれも安全性に関する様々な厳しい試験をクリアしているので、通常の使用方法で心配する必要はないと言えます。

糖に関係するいろいろな成分を分類してみました。冒頭で述べたような「糖質オフ」や「糖類ゼロ」という言葉のイメージに振り回されることなく、各成分の特徴を正しく理解した上で健康の維持・増進にうまく役立ててください。

荒井健介教授
  • 荒井 健介 教授
  • 日本薬科大学 大学院薬学研究科・薬学部薬学科 教授、博士(薬学)
  • 医薬品や環境物質の分析法に関する研究に取り組み、児童・生徒に対して化学に関する講演も行っています。
  • 日本薬科大学 公式サイト
    https://www.nichiyaku.ac.jp/

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