高齢者のための情報サイト【日本老友新聞】

老友新聞
ルーペ

ニュース

2017年08月29日

広がる「高齢者家庭のゴミ出し」支援~NPO法人「花たば」の活動と仕組み

ここ数年、高齢者家庭のゴミ出し支援を行う自治体や団体が増えている。集積所までゴミを運ぶのが困難な高齢者には、うれしい支援だ。支援はどのように行われているのか、兵庫県神戸市で『ゴミ出しサポート』として支援を行っているNPO法人『花たば』の例をとって、その仕組みと意味を見てみよう。

階段、坂、遠い集積所に難儀

ゴミ収集のシステムは、自治体によって異なる。
区画ごとに集積所を設置しているところもあれば、個々の自宅から収集するところもある。ゴミの分別もまた自治体によって違う。
NPO法人『花たば』(神戸市灘区電話078・801・6632)理事長・須見恭子さんは、ゴミ出しサポートが必要な理由をこう語る。

「神戸は階段や坂の多い街。ひとり暮らしの高齢者が増え、ゴミ出しに困難を感じている人が増えています。アパートにエレベーターがなかったり、ゴミステーション(収集所)が遠かったりすることもあるので、そういった場合も同様に困難です」

「手伝ってくれる人いない」
助け求めるひとり暮らし

神戸市は、平成23年から容器包装プラスチックの分別収集も始めた。

「ゴミステーションにゴミを運ぶことだけが問題ではありません。分別が始まって仕分けが複雑になったのも負担になっています。ほかにもゴミの収集時間が早くてヘルパーさんでは対応できない、ゴミ出しを手伝ってくれる人がいない、近所に手伝ってくれる人がいてもお礼をどうしたらいいかわからないなど、困っている方は少なくないんですよ」

須見さんの言葉に、共感する読者も多いのではないだろうか。

「ゴミ出しと見守り」を組合せ
練馬区や佐野市で実施

さらに、ゴミ出しに見守りを組み合わせた支援を行っている行政もある。東京都練馬区の『個別訪問収集』や栃木県佐野市の『ふれあい収集』などがその例だ。
花たばのサポートは基本的にゴミ出しサポート単一だ。しかし、須見さんの話からそれ以上の意味を汲み取ることができる。

「先日、オートロック式のマンションを訪ねたサポーターから、インターホンを押しても応答がないと事務所に連絡が入ったんです。緊急連絡先の家族に連絡して対応していただいたのですが、ベッドで動けなくなっていたということでした。救急車で搬送されて入院されたということです」

後日、家族から感謝の連絡が入ったそうだ。

花たばのゴミ出しサポートは高齢夫婦や独居高齢者の利用が多い(高齢者のほかにはケガや病気の人、妊産婦なども利用可能)。利用者からは「サポートに申し込む前は、家族がゴミをもって帰っていたので、今はとても助かっている」「雨の日でも来ていただいてありがたい」「サポートのおかげで施設に入らずに自宅でひとり暮らしができている」といった喜びの声が届いている。これらの声に、ゴミ出しサポートがゴミ出し以上の意味をもっていることに気づかされる。

社会全体で見るとゴミの分別が複雑になり、ゴミを出せなくなる高齢者も多いそうだ。また、認知症で分別ができなくなることもある。ゴミ出し支援はそうした人たちの手助けにもなれるのだ。

地域の支え合い大切
元気な街づくりの一翼担う

花たばのゴミ出しサポートはチケット制だ。またゴミ出しは、花たばの活動に共感した人たちが登録し、サポーターとなって行っている。利用者は1枚2百円のチケットを購入し、ゴミ出し1回につきこのチケットを1枚出す。ゴミ出しサポーターへは花たばから、チケット1枚につき百円が支払われる。
ゴミ出し支援のシステムは、当然統括する団体によって異なる。支援を受ける側に条件がある場合も多い。

須見さんは語る。

「1回百円の事務局費では事務局のコーディネーターの人件費は賄えません。しかし、大変な事業ですが地域の支え合い、助け合いが利用者とサポーターの両方を元気にしてくれています。高齢者が安心して暮らせる元気な街づくりの一翼を担っていると思っているんですよ」

ゴミ出しで困っている人は、一度行政に相談してみてはいかがだろうか。システムが整っていない場合も多いだろうが、利用したいという人の声が世の中の仕組みを改善していくに違いない。(老友新聞社)

 

《NPO法人『花たば』》
NPO法人『花たば』は、高齢者共同住宅の建設と運営、ふれあい喫茶の運営など地域福祉の推進をしている団体。2011年、神戸市の高齢者地域助け合い支援のモデル事業で「ゴミ出しサポート」が始まる際、神戸市が事業を委託したのが、花たばが加入している福祉系団体のネットワーク『ひょうごん福祉ネット』だった。モデル事業終了後、兵庫県から3か月間助成を受けて業務を継続。花たばのゴミ出しサポートは、システムを改善しながら現在にいたる。

この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。

高齢者に忍び寄るフレイル問題 特集ページ
見学受付中!長寿の森
見学受付中!長寿の森
  • トップへ戻る ホームへ戻る