高齢者のための情報サイト【日本老友新聞】

老友新聞
ルーペ

ニュース

2017年09月29日

増える高齢者の「国内移住」~認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」高橋理事長に聞く

読者の中には移住に興味をもっている方がいらっしゃるのではないだろうか。高齢者の国内移住の動きは10年前からあった。さらに2011年ころから、若い世代の国内移住者、移住希望者も増え、16年まで移住に興味をもつ人の数は右肩上がりである。認定NPO法人『ふるさと回帰支援センター』理事長・高橋公さんに移住を成功させるコツをうかがった。

 

まず情報集め プラン練る

「移住への関心は年々高まっていますよ」
そういうのは、長年にわたって移住希望者の動向を見てきた認定NPO法人『ふるさと回帰支援センター』理事長・高橋公さんだ。当センターの集計によると、50歳以上に注目すると2008年は2千人弱だったセンター利用者が、昨年は8千4百人弱にまで増えた。

高橋さんは言う。
「移住を成功させるためには、『誰と』『どこで』『何をして暮らすのか』、シミュレーションすることが大切。漠然と資料を集めたりセミナーに参加しても、移住するまでに至らない可能性が高いでしょうね」

高橋さんは自身を例として説明する。
「私は漁師の息子で福島県出身です。まず最初のイメージとして、嫁と一緒に東北に移住し、サバを獲って暮らしたい、と考える。そこからさらに移住する場所を絞っていくのです」

当センターには全国40道府県・市の移住相談窓口がある。移住先でのシミュレーションができたら、それらの相談窓口で具体的な情報を得る。あるいは、各自治体が提供する移住セミナーに参加すると良い。
「セミナーには先輩移住者の体験談を聞けるものもあります。窓口で相談したりセミナーに参加することで、いくつかの町や村に興味がわいてくると思います。そうしたら、その土地へのモニターツアーに参加することですね。また、移住体験住宅を設け、1泊5百円から千円ほどで滞在できるところもあるので、ぜひ移住のお試しをしていただきたいものです」

セミナーの様子

セミナーの様子

移住に「向き」「不向き」
ポイントは地域の人と馴染めること

移住後の生計の考え方としては、
「生活費が20万円かかるとしましょう。その全てをひとつの仕事で賄おうと考えないことです。20万円のうち年金が10万円、プラス月3万円の収入の仕事を3つする。それで約20万円になりますよね。特別な技能があれば仕事が見つけやすいかもしれませんが、そうでなければ仕事は選ばないことです」
と、高橋さんは言う。
また、移住に対して向き不向きがあるそうだ。
「地域の人と馴染めない人は、移住での成功は難しいですね。挨拶をする、コミュニティに参加する、地域で役立つ、そういった気持をもってください」

 

先輩移住者の声

最後に、先輩移住者の声を紹介しよう。

「友人からは『田舎はつまらないのでは』と言われますが、都会に負けない文化や良さがあります。地方での暮らしに改めて魅力を感じています」(60代/長野県へ移住)

「まだ車をもっていなくて、食材等の買い出しは電車で一日がかり。でも、それもまた楽しんでいます。孫たちも遊びにくると生き生きしています」(60代/長野県へ移住)

「退職後、故郷の秋田に戻ってきました。経験を活かして地域の活性化に尽力したいと思っています。地元に貢献できることが喜びですね」(60代/秋田へ移住)

移住をお考えの方は情報を集め、移住プランを練ってみてはいかがだろうか。(老友新聞社)

 

《認定NPO法人『ふるさと回帰支援センター』》
地方暮らしやIJUターン希望者をサポート。全国約850地域の自治体と連携して各地の情報を提供し、都市と農村の橋渡しによって地方の再生、地域活性化を目指している。

http://www.furusatokaiki.net

電話03・6273・4401(10時~18時定休日毎月曜・祝日)

この記事が少しでもお役に立ったら「いいね!」や「シェア」をしてくださいね。

高齢者に忍び寄るフレイル問題 特集ページ
日本老友新聞・新聞購読のお申込み
日本老友新聞・新聞購読のお申込み
  • トップへ戻る ホームへ戻る