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2018年10月30日

「人の輪広げるやさしさ秘めて 相手の痛みがわかる人」2018年10月入選作品|老友都々逸

老友新聞2018年10月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

人の輪広げるやさしさ秘めて
相手の痛みがわかる人

天野 照華

世話人はこうあって欲しい。

地の位

「うだる暑さだ畑はよせ」と
労(いたわ)る夫はデイへ発つ

手銭 美也子

デイはデイケアサービス。ちょいと近くなのに大袈裟に「発つ」を使ったのは、ご主人のいそいそ振りへのやっかみを漂わせていて秀逸です。

人の位

元気作りの教室通い
ゴキブリ体操セラバンド

櫓木 香代子

「セラバンドトレイニング」。お教室は新しいエクササイズ(練習)や命名を工夫して飽きさせませんね。

十 客

亡母(はは)につながる思い出ばかり
涙新たな盆参り

飛田 芳野

私のように母に早世された者でも思い出は深く、皆さんの母上に対する思いは如何ばかりかと拝察いたします。

六尺三尺私の居場所
今は我慢の病室に

鈴村 三保子

六尺(約180㎝)三尺(約90㎝)で畳一畳分。つまりベッドのサイズ。その世界に生きる大切な我慢の日もありますね。お大事に。

涙ぬぐって戦争いやだ
終戦記念日百弐歳

王田 佗介

百二歳の方なら昭和20年は30歳代。どんなご職業、何処に居らしたにしても、ご苦労様でした。

ほふり今日も昨日も葬が続きゃ
わしもと諭吉っさついてくる

仲野 まつ乃

「屠(ほふ)る」の名詞形「葬(ほふり)」をこの様に現代語として使った都々逸は初めて拝見しました。勉強になりました。勿論、福沢諭吉は壱万圓札。

嫁の言うこと素直に聞くと
嫉妬してそな妻の顔

若色 茂

男として気を使うこと多々ですね。

都会暮らしに馴れたか伜
たまにゃ帰れや故郷(さと)の母

惣野代 英子

まるで私の所為(せい)のようで。(スミマセン!)。

今日も家内にオンブにダッコ
返えす当てなし金もなし

山田 浩司

家内のものはオレのもの、と大きく構えて生きましょうや。

買った財布を眺めて思う
たまにはパアーッといきたいな

向井 智恵子

お金は額よりも使い方によってお人が表れるものですね。それにしても「パアーッと」使ってみたいものですね。

八十路過ぎても色香の残る
そんな女房にまた惚れた

鈴木 曻

ご馳走さまです。

己惚(うぬぼれ)鏡で見てさえこれじゃ
振られる筈だと思う顔

黒木 弘

自己評価に諦観を混ぜながら、も一度「持て期」が来そうですね。

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