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2022年11月24日

11月は特選が3作品と無審査が1作品。|皇寿書壇2022年11月入選作品

11月は特選が3作品と無審査1作品を掲載いたします(編集部)

特選

飯塚 英子(翠瑶)

読み=秋風耳を過(す)ぐ(秋風が耳のあたりをかすめた位のこと・馬耳東風と同じ)
字形整斉にて潤雅に四文字を仕上げてくださいました。縦に長い造形とした「風」字はすっりと伸びやかに風を表現し、「過」字のしんにょうの線条は流麗で律動感があり充実した見事な用筆で、聞き流すという語句の大意を表現されているように感じられます。

外丸 暁子(暁峰)

読み=並(とも)に皆佳妙なり(皆すべて立派である)
千字文からの四文字を自運の楷書で纏めて下さいました。
「佳」字が稍小さく、「妙」字の結構も不安定に思いますが、気宇は大きく浮線なく澄んだ線条は引きしまり明解な筆づかいで清雅な仕上がりに魅力を感じます。
楷書は各書体の中で最も法の備わった謹厳な難しい書体ですが、今後結構(形を作る方法で点画の長短・角度・交り方・バランスを考え文字を形の上で構成する)や布置法(文字の配置・行の中心に対して行間と文字の大小の組み合わせ・雰囲気など)を心掛けてお学びなることを試みて下さい。

中里 薫(紫泉)

読み=王に帰す。鳴凰は樹に在り。
智永の真草千字文を臨書してくださいました。この千字文の形体は丸味があり、線は穏やかな曲線で厚みがあり、気脈は貫通し空間の筆意が生かされています。
この作、字形はほぼ形臨されて筆意もよく通してリズムよく書かれているのが長所です。「帰・鳴・樹」字などの曲線をより太くく書かれて全体を温雅に仕上げたならば、より好臨となったことでしょう。

無審査

齋藤 北城

二点行書にて自運書をご出品下さいました。
「青天…」と書かれました作は「青」字を少し大きく書きすぎておりますが、「峰」字の終筆を長く引き全体のバランスを保ち、おおからかな運筆で確かな運腕の作。
「玉衣…」と書して下さいました作は安定した形意で沈着なる筆致で布置よろしく纏め、ご高齢ですが、字々画々気力充実の送筆で立派な仕上がりです。

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