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注目されている「遺贈」とは
ここ数年、遺贈が注目されている。すでにご存じの方も多いだろうが、遺贈とは、相続人以外の人や団体に遺産を譲ること。子どもがいても、あえて遺贈を選ぶ人もいるという。今、なぜ遺贈が注目されているのか、遺贈することのメリットは何かを考察した。
「社会に貢献したい」
法定相続人以外の人に遺産譲る
今注目されている遺贈、2020年頃にはかなり多くの人が認知していた。数年たった今、認知度はさらに高まり、遺産の残し方のひとつの案として考える人も増えている。
遺贈が注目されている背景にはいくつかの理由が考えられる。遺贈を考えている人の中で、最も多く挙げられる理由が「社会に貢献したい」というものだ。ほかには相続税対策や、家族や親戚に迷惑をかけたくないといったものなど様々な理由がある。そこで、まず遺贈、遺贈寄付と相続の違いをおさらいしよう。

法的効力ある遺言書作成が必要
譲渡相手を明確に指名
相続は、相続人が財産を受け取るもの。この場合、相続人は配偶者や子どもなど相続順位のある人になる。一方で遺贈は、法定相続人以外の人や団体に無償で遺産を譲るというもの(公益的な活動をする団体に遺贈することを、遺贈寄付という)。おそらく、遺贈においてもっとも大きなネックとなるのは遺言だろう。遺贈は、遺産を贈る相手を選択し、遺言で明確に指名しておかなければならない。だが、口頭やエンディングノートなどで残しても、遺言としての効力をもたないのだ。
法的に効力のある遺書の作成から、遺言執行者の決定まで、遺言に関わる様々な手順を踏むことになるが、遺言書を作成したことのない人には、わからないことだらけかもしれない。
だが、そこには当然解決策がある。不備のない遺言書を作成するなら、行政書士、弁護士に相談すればいい。行政の法律相談を利用してもいいだろう。また、団体に遺贈したいと考えているなら、遺言書作成の相談にのってくれる団体も少なくない。
財産の一部譲渡も可能
記者は思うのだが、仮に遺贈をすると仮定すると、それは人生の中でも多少なりとも大きなできごとになるのではないだろうか。実際に遺贈寄付の手続きをした人は、「やり残しを片付けたようなほっとした気持ちになった」「愛着があった大学のサークルに遺贈寄付し、手続きをしながら思い出にひたることができた」「応援していたボランティア団体に遺贈寄付して、貢献できて終われてうれしい気持ちだ」というように、満足感を得られるようだ。
遺贈は、故人の財産の全部を譲ることもできるし、一部を譲ることもできる。相続人がいる場合は一部を遺贈に、残りを相続人に、ということもできる。遺贈のあるなしに関わらず、遺産相続でもめるのはよくあることだ。相続人たちの間に不満が生じるのを防ぐために、遺言書を作成する前に相続人たちと話し合うのも一案だ。なお、遺言書が有効であれば遺贈の変更や撤回は可能だ。
人は誰かの役に立てたときに喜びを感じるというが、遺贈の形で何か役立つことができたら、心穏やかな時間を楽しめるのではないだろうか。
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