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2022年10月03日

10月より医療費窓口負担引き上げ。物価高に医療費増が追いうちに。

10月から一定収入のある75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担が、1割から2割に引き上げられる。対象となるのは、単身世帯では年金を含めて200万円以上、複数人世帯は合計年収が320万円以上。後期高齢者の約20%、370万人が該当するとみられている。収入に応じて1割、2割、3割(現役並み所得)の3階建ての負担構造になる。

2割負担導入の背景には「2025年問題」がある。約800万人といわれる団塊の世代のすべてが、2025年までに後期高齢者の仲間入りをする。全人口の2割近くを後期高齢者が占めることになり、医療費や介護費の社会保険料も急騰する。

後期高齢者の医療制度の財源は、5割を公費で負担、4割は現役世代からの支援金、1割を高齢者の保険料で賄われている。厚労省の試算では、2021年度の現役世代の支援金は6.8兆円だったが、25年度には8.1兆円に膨らむ。しかも、2割負担を導入しても、現役世代の軽減効果は一人あたり月30円程度にしかならないという。

窓口負担見直しは、全世代型社会保障改革の一歩に過ぎない。改革が必要なのは医療だけではない。年金、介護保険など多岐に亘る。

「持続可能な医療保険制度にしていくには様々な政策を積み上げていくしかない」と専門家は語る。とはいえ、軒並みの物価高に、医療費も2倍増…年金高齢者の「なんとかしてよ!」という悲鳴が聞こえてくる。

 

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