趣味
2025年12月25日
「修羅を知るネクタイ未練なく捨てる」2025年12月入選作品|老友川柳
老友新聞2025年12月号に掲載された川柳入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天 位
修羅を知るネクタイ未練なく捨てる
原島 幸男
ネクタイをしていた現役時代、修羅場もあったのでしょう。もう不要と捨てる時、苦い重荷も一緒に捨てる「思い切り」が胸を打ちます。凄味ある一句。
地 位
連立の下駄の鼻緒が切れました
王田 佗介
政治ネタは、往々にして重々しくなりがちですが、長く続いた「自公連立」の崩壊を下駄の鼻緒になぞらえる比喩が秀逸で、軽みが笑いを誘います。
人 位
ままごとの友今はもう杖の友
阿部 良子
幼馴染との長らくの交流、お互い年を取ったねえと言い交わす代わりに、川柳に仕立てるのも味がありますね。七五五のリズムが効果を生んでいます。
五 客
口だけは元気で老の月見酒
岡本 政子
月見酒としゃれ込むのは、余裕があり、元気な証拠。それを敢えて「口だけは元気」と自嘲的に描き、手が込んでいますね。
大きくなれ泣け泣け泣けと泣き相撲
森井 睦子
泣き相撲の赤ちゃんを応援。思いっきり「泣け」と叫ぶ快感を表す「な」音五つの連打が心地良く、気持ちも伝わります。
七五三犬も着飾りお供する
鈴木 曻
七五三を祝う家族が、神社に愛犬を連れてくるだけでなく、衣装まで!微笑ましいのか、やり過ぎなのか、問う一句です。
夏燃えて余生ぬるま湯秋が来る
瀬川 征光
長かった酷暑の夏が終わると、とたんに秋らしく。季節と自分の人生の推移を重ね合わせ、読む人を納得させる力業がお見事。
川柳は選者一言味を増す
本庄 一郎
毎月の私の選評作業に、心地よいエール。私だけでなく、審査する立場の人間は、「味を増す」の語に小躍りしそうです。
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