コラム
三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!
第33回「落語会の作り方」
今年の蚊は、早い、長い、しつこいだそうです。
最悪ですね。
そんな吉野家みたいなキャッチコピー作らなくていいのに。
バシバシはたいていきたいと思います。
さて我々落語家はよく「落語は座布団一枚あればどこでも出来る」と言います。
それは本当です。
【落語】は座布団があれば出来ます。
ただ【落語会】は座布団があれば出来るというものではないです。
まずお客様がいないことには興行にはなりません。
そしてこの集客というのが一番大変です。
落語だけに限ったことではないですが、テレビに出てる超有名人でもない限りなかなかお客様が簡単に来てくれるものではありません。
一つ新しい落語会を立ち上げました。
東京の鐘ヶ淵に木母寺というお寺があります。
謡曲の隅田川など梅若伝説の舞台で、芸事に縁のあるお寺です。
歌舞伎役者の方もお参りに来るとか。
ここに落語の神様三遊亭圓朝が三遊派の隆盛を祈念して三遊塚という大きな石碑を建立しました。
我々三遊亭の一門にはとても大事な場所です。
六代目円楽師匠が旗降り役で2020年からこの木母寺でイベント三遊まつりをするようになりましたが、コロナ禍も脱しつつありこれからさらに盛り上げようという矢先にお亡くなりになってしまいました。
円楽師匠亡き今、少しでもその三遊まつりが盛り上がるように、この木母寺で定期的に行う一門の落語会を企画してみました。
幸い、先輩方にも関わっていただけることに。
やるからには、たくさんのお客様にご来場頂かなければなりませんので、なにはなくとも宣伝です。
一門で定期的にやっている寄席にチラシを挟んだりSNSで拡散などはしてますがそれだけではどうにも心もとなく。
木母寺自体が駅から少し離れていて一門のお客様もちょっと来にくい所にあります。
地元の方に来て頂こう、そのためには地道な作業だ、と先日鐘ヶ淵のお店にチラシ配りをしてきました。
こんなご時世ですし無名な若手落語家のやることですから半分も話を聞いてもらえれば上々だなと思っていたのですが、ほとんどのお店がチラシを置いて下さいました。
ありがとうございます!
「置くぐらいもちろんいいよ!」とのお言葉。
しかもただ置かせてもらうだけでなく、お店の方から「お客さんに宣伝しとけばいいんですよね」。
天使ですか?
鐘ヶ淵の方たちは天使なんですか?
またなんとなく不動産屋さんで物件を見ていて、声をかけて下さった女性にチラシをお渡ししたらその会社の会長さんで、地元のイベントだったらぜひと店頭のチラシラックにさしてくれました。
しかも不動産のチラシをどかして。
いい人過ぎませんか?
鐘ヶ淵への転居を考え始めてます。
日が暮れたら先輩と居酒屋巡り。
ここでもお店の方やお客様から温かいリアクションが。
なんなんですか、鐘ヶ淵。
最高じゃないですか。
飲み過ぎて若干記憶がないですが。
翌日にはお問い合わせのメールも頂いたりしてありがたい限りです。
たくさんの方に支えて頂いて我々は活動が出来ております。
そんな木母寺での落語会は6月3日です。
平日昼間ですがご来場お待ちしております。
また、私自身真打昇進まであと数年(おそらく)となりました。
よりたくさんの方に知って頂くために全国で落語会を立ち上げたいと思ってますので興味をお持ちの方はお気軽にご連絡下さい!
私の落語会も今年の蚊のように、早い(テンポが)、長い(時間が)、しつこい(顔芸が)な部分はありますが全力でやりますんで!
どうかはたかないで下さい!
※写真は三遊塚と筆者
お知らせ
木母寺三遊塚落語会
日時:6月3日(月)14時開演(13時半開場)
会場:木母寺本堂(東武スカイツリーライン鐘ヶ淵駅徒歩7分)
出演:三遊亭楽麻呂、楽生、ぽん太、好二郎
料金:1500円(ご予約不要)
三遊亭ぽん太の月例落語会
ぽん太ラボvol.46 演目:お若伊之助、他
日時:6月15日(土)14時開演(13時半開場)
会場:池之端しのぶ亭
料金:予約1500円、U29割1000円、ぽん太初めて割500円
予約・問合せ:pontathe2nd@gmail.com
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- 三遊亭ぽん太
- 落語家
- 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて180席以上ある
- ぽん太さんのHP
https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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