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玉木正之のスポーツ博覧会

玉木正之のスポーツ博覧会

2020年11月26日

今オリンピックの直面するコロナ以上の重大問題とは!?

9月9日ロイター通信は、160以上の人権団体が「北京冬季五輪の中止」をIOC(国際オリンピック委員会)に申し入れたことを伝えた。
ウイグル、チベット、モンゴル族の人権擁護団体や、香港の市民団体などが、新疆ウイグル自治区やチベット自治区での中国政府による住民への弾圧、内モンゴル自治区の小中学校でのモンゴル語から中国語への強制変更、香港での国家安全維持法の施行等に対して抗議し、北京冬季五輪開催反対を主張したという。
中国政府は「スポーツを政治利用する行為」と反発。IOCは「政治問題には中立を保つ」とのみ発表した。

「五輪と政治」の問題は根が深く、1968年メキシコ五輪で陸上200m優勝者のスミスと3位のカーロスは表彰台上で顔を伏せ、アメリカ国旗に黒い手袋の拳を突き上げた。これをブランデージIOC会長(当時)は「アメリカ国内の政治的問題」と捉え、「非政治的で国際的な場の五輪精神に反する」とし、二人を五輪から追放。
五輪憲章第50条には、オリンピックでは《いかなる政治的・宗教的・人種的な宣伝活動も認められない》と規定されている。が、75歳のカーロスは今年6月、アメリカ五輪委と連名でIOCにメキシコ五輪の処分撤回を求め、選手の自由な表現を禁止している五輪憲章の改正を要求した。
一方、IOCは昨今の「黒人差別反対運動」を受けた見解を表明。「BLM(ブラック・ライヴズ・マター=黒人の命にも価値あり)」の標語の使用や抗議行動の「膝つき行為」も五輪憲章違反と発表した。が、カナダのスポーツ団体が五輪憲章は世界人権宣言が定める基本的人権に違反しており、BLMも膝つき行為も認めるよう要求。

さてIOCは「憲章」と「北京大会」をどうするか?これはコロナより大問題かも。

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玉木 正之
  • スポーツライター 音楽評論家 小説家

新聞や雑誌で執筆・評論活動を展開するほか、TV・ラジオ番組に多数出演。主著に『スポーツ解体新書』『不思議の国の野球』『オペラ道場入門』他多数。

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