老友新聞2025年11月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。（編集部）

天の位

打ったミサイル　そのまま元へ
戻す仕組みの　ないものか

佐野　磯雄

本当にそうですね。因果応報を、思い知らせてやりたい。

地の位

雷鳴とどろく　夜深けに目覚め
蚊帳（かや）の吊手も　懐かしい

手銭　美也子

昔はよく、雷様の時に蚊帳に入ったものでしたね。今では手前共では蚊帳自体が、家の中に見当たりませんね。

人の位

米価下がらず　横這い続く
役に立たない　備蓄米

鈴木　曻

お米が高値のままだそうですね。私は何も知らずに食べているだけの人間で、スミマセン…。

五　客

テレビ放送　外国ニュース
子等はなべ持ち　先競う

小林　良一

戦後すぐ（昭和二十年代）の食糧不足の日本の都市部の様子とそっくりですね。

こんな暑さは　今まで知らず
たのみはエアコン　唯一つ

瀬川　征光

真夏の暑さに勝つ為には、外出しないに限りますね。

足さえあれば　たのみはしない
寿司に刺身に　甘い菓子

岡本　政子

みんな出前をしてもらう訳ですね。岡本さんの御口の「おごり」。羨ましい。

夕月　田んぼに浮ばせながら
丹波連山　暮れてゆく

岸　慶子

小学唱歌に「夕月かかりてにおい淡し」とありましたね。

手足動かす　赤子を見つめ
今日も一日　暮れました

櫓木　香代子

曾孫さんが誕生なさったとのこと。おめでとうございます。