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2024年06月13日

「土手青む朝の挨拶跳ねかえる」2024年6月入選作品|老友俳壇

老友新聞2024年6月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)

土手青む朝の挨拶跳ねかえる

松岡 ツルエ

朝の土手をウォーキングしている場かと思います。同じように土手を歩む人との挨拶でしょう。跳ね返るような弾んだ元気な声に、青く萌え出た草の息吹が呼応するようです。

飼猫の逝きしことなど春炬燵

佐野 智津子

「逝」の字は本来は人間の死を意味しますが、作者にとってこの猫の死は家族の死と変わらぬ喪失感を覚えたのだと思います。ことあるごとにその死を思いだすのですが、のんびり春炬燵に入っている時はなおさらです。

夕ざくらひそかに吐息もらしたり

糸井 榮

夕方の桜を見て漏らす吐息とはどんな吐息なのか、夕桜の風情から想像するに、この日の作者に何か幽愁の思いをさせる出来事があったのかもしれません。

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