天

風花や光となりて逝きし友

行方　久子

風花は冬晴の青空から舞い降りる雪片のことで、日の差す中をきらきらと輝きながら降ったりします。この友人はこの雪片のように光を放ちつつこの世を去ったという思いでしょう。誠に美しい悼句です。

地

買ふあてのなきぼろ市を見て回る

五木田　時子

ぼろ市は東京世田谷の旧代官屋敷前に立つ市が有名で、名の通り古着や古道具などを所狭しと並べて売ります。その距離約一キロと言いますが、見て回るだけでも充分楽しいと思います。

人

初御空少年高く絵馬結ぶ

山根　博子

高く結んだ絵馬には少年のどんな願いが書かれていたのでしょうか？想像が拡がります。何れにしても願いが叶うことを祈る少年の強い意志を作者は感じ取ったのだと思います。