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2024年05月29日

声が枯れるのはお酒のせい?それとも…

2~3カ月前から声がかれる症状が続いています

70歳の男性です。声がかれる症状について教えてください。
ここ2~3カ月くらいの話ですが、声がかれたような状態が続いております。声色も変わったようで、音程が低く、かすれたようになります。また、喉に違和感も覚えます。
カラオケが好きで、よく友人と歌いに行くのですが、やはり「以前と声が変わったね」と言われます。

とくに風邪をひいているわけではないのですが、声がかれてしまったのはなぜでしょうか。お酒が好きなので、飲み過ぎなのでしょうか。それともやはり歳のせいでしょうか。

答え

怖いのは「喉頭がん」。内視鏡検査で声帯チェックを

今回は声がかれてしまったという方からのご相談です。
声がかれるという症状を、医学的には嗄声(させい)と言いますが、嗄声を生じる病気は様々なものがあります。
声帯というのは左右2枚の膜によって形成される器官なのですが、その膜の部分が閉じたり震えたりすることで声が出ます。この声帯に何かが起きると、声の異常として症状が現れます。

たとえばよく耳にする「声帯ポリープ」という病気も嗄声の症状が現れます。声帯ポリープは大声を出したり、カラオケで歌い過ぎたり、騒ぎすぎたりすることで、声帯が内出血を起こすなどしてポリープが出来てしまうものです。声帯をきちんと震わせることで綺麗に声が出るのですが、ポリープが邪魔をして綺麗な音が出なくなるという病気です。

もうひとつ「声帯結節」という病気もあります。声帯ポリープと似ているのですが、もっと長い期間声帯を酷使することによって、声帯にタコのようなものが出来てしまうものです。たとえば歌手やアナウンサーの方など、声を出すことを職業にしているような方の場合、声帯が最もこすれ合う部分が、まるでペンダコのような状態になってしまいます。

さらに怖いのは「喉頭がん」です。声帯部分に出来るがんで、声帯を切除しなければならなくなることもありますので注意が必要です。

それ以外にも嗄声が起きるものとして「反回神経麻痺」という病気があります。声帯を動かす神経を反回神経といいますが、この神経は面白いことに、脳から直接咽喉へ行かずに、一度大動脈の近くまで行ってから折り返して喉の方へ向かっているのです。そのためにその近くの臓器に何か異常が出て神経を圧迫したりすると、その反回神経が麻痺を起こして声帯がきちんと動かなくなり、その結果嗄声の症状が現れます。
大動脈瘤や食道がん、甲状腺がん、肺がんなど神経の通り道に近い部分の病気によって引き起こされることが知られています。

カラオケなど、大きな声を出した後、一時的にかすれるだけならば良いのですが、何か月か声がかれた状態が続いているような場合には、一度耳鼻咽喉科を受診いただき、内視鏡検査により声帯をよくチェックをすることが必要です。

もしポリープであった場合は、軽いうちならば保存療法で済みます。まずは声をなるべく使わないようにし、そして炎症を抑える薬を使うことで治めることができます。病状が進んでいる場合には手術によりポリープを切除することになります。

あなたの場合、お酒が好きとのことですが、タバコやアルコールは声帯に良くありません。これらは声帯を刺激して、炎症を起こしやすくし、直接的に声をからしてしまうこともありますが、それだけではなく喉頭がんが非常に起こりやすくなります。とくにタバコとアルコール両方やられる方の場合はさらに危険性が高くなりますので注意して下さい。

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髙谷 典秀 医師
  • 同友会グループ 代表 / 医療法人社団同友会 理事長 / 春日クリニック院長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック・予防医療学会 理事 / 日本人間ドック健診協会 理事 / 日本循環器協会 理事 / 健康と経営を考える会 代表理事

【専門分野】 循環器内科・予防医学

【資格】 日本循環器学会認定循環器専門医 / 日本医師会認定産業医 / 人間ドック健診専門医 / 日本内科学会認定内科医 / 医学博士

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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