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医療と健康

2021年02月03日

「突然息苦しくなり意識遠のく」…まずは不整脈検査を。

息苦しくなって、スーッと目の前が真っ暗に

70歳の男性です。私は時々なのですが、突然息苦しくなって、身体がフワフワと揺れるようなめまいを感じたり、すーっと意識が遠くなるような感じがすることがあります。
最初は身体が揺れて、地震が起きたのかと勘違いするのですが、その後すぐに、目の前が暗くなっていき、1分くらい静かにしていると治まります。
毎日血圧を測定しているのですが、とくに異常はありません。脈拍も正常だと思います。食事もきちんと3食たべていますが、このような症状が起きるのは年のせいでしょうか。それとも貧血なのでしょうか。

答え

脳の血流が低下か。徐脈や房室ブロックによる不整脈の疑い

今回は意識が遠のいてしまうような症状が現れるという方からのご相談です。
普段の血圧や脈拍は問題がないのに、時々、短時間、そういうった症状が出るという場合は、やはり脳の血の巡りが心配されます。脳の血の巡りが悪くなると、そこで脳の機能が低下して、一瞬意識がなくなったり、失神してしまったりするわけです。
血の巡りが悪くなる原因として、ひとつは心臓の病気が疑われます。たとえば不整脈のように、心臓からうまく血液が送り出せなくなると、脳の血流も落ちて、意識が無くなることがあります。
不整脈にも様々なタイプがありますが、とくに高齢者に多いのが徐脈性の不整脈です。徐脈とは脈がゆっくりになりすぎてしまうことで、代表的な病気が洞機能不全あるいは洞不全症候群と呼ばれるものです。
心臓には洞結節という器官があり、そこから電気的な刺激がリズム良く出て、その刺激によって心臓の筋肉が収縮してポンプの役割を果たします。ところが高齢になるとその機能が弱くなり、脈がゆっくりになったり、停止してしまうこともあります。そうすると、その間心臓が動かなくなってしまうので、一瞬フラフラとしたり、気を失ったりすることがあるのです。
もうひとつは房室ブロックというタイプの不整脈です。洞結節から出た電気刺激は、まず心臓の上半分を刺激・収縮させた後、房室結節と呼ばれる関所のような所を通って、今度は心臓の下半分へ流れて収縮を起こさせます。この房室結節という所でうまく電気刺激が流れないと、心臓の下半分にまで刺激が届かなくなり、心臓の収縮が起きにくくなります。そのため徐脈になり、意識が遠のく、あるいは息苦しくなるなどの症状が現れるのです。
心電図の検査でそのような不整脈が現れ、診断がつけばよいのですが、普段元気なときが多い場合は、検査をしても症状が現れずに、診断がつかないことがあります。そのような場合は、24時間検査を行えるホルター心電図検査器を用います。この検査は携帯用の心電図測定器を一日中つけたままにしていただきます。そうすることで、何か兆候が出ていないかを24時間チェックすることができるのです。
検査の結果、もし不整脈の兆候が出ているようであれば、より精密な検査をするために、場合によっては入院をしていただき、電気生理学的検査、つまり心臓の中の電気の流れ具合を詳しく調べる必要があります。

もし不整脈と診断された場合は、その重症度によってはペースメーカーを埋め込む事になります。規則正しい電気刺激を流し、それにより心臓をきちんと動かせれば、こういった症状も無くなるわけです。ぜひ一度、心電図の検査をしてみることをおすすめします。
脳の血の巡りが悪くなる別の原因としては、脳梗塞のように血管が細くなったり、あるいは詰まったりして、脳の血流が止まってしまうケースです。完全に詰まってしまうと、麻痺が起こったり意識がなくなって倒れ、そのまま命を落としてしまうようなこともありますが、血管が少し細くなっているくらいの状況であれば、一瞬だけ血流が弱くなって、めまいのような症状が出る人もいます。一過性脳虚血発作などと呼ばれますが、こういう場合には後々脳梗塞を起こしたりするケースもありますので、MRIなどできちんと検査をしてください。

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高谷 典秀 医師
  • 医療法人社団同友会 理事長 / 順天堂大学循環器内科非常勤講師 / 学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授 / 日本人間ドック健診協会 理事

【著書】 『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』出版:株式会社法研(平成27年7月)【メディア出演】 幻冬舎発行「GOETHE」戦う身体!PART4 真の名医は医者に訊け(2018年6月号) / BSフジ「『柴咲コウ バケットリスト』in スリランカ 人生を豊かにする旅路」(平成28年1月) / NHK教育テレビ「きょうの健康」人間ドック賢明活用術(平成27年5月) / NHKラジオ「ラジオあさいちばん 健康ライフ」健康診断の最新事情(平成25年11月)

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