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2022年05月02日

「たった一人の心に刺さる言葉」~コロナ禍で悩む依頼者に寄り添うような歌を

「あなたのための短歌一首詠みます」

――依頼者から受け取った「お題」をもとに短歌をつくり封書で届ける、歌人・木下龍也さん(34歳)の「短歌の個人販売」が話題になっている。

木下さんは11年前から、「たった一人の心に刺さる言葉」を届けることを始めた。短歌を作る手がかりは、依頼者から送っていただくメールだけ。そのわずかな部分に自分を重ね合わせ、自分ならどんな言葉がほしいか、じっくり考える。

現在まで700首の短歌を届けた。そんな時、出版社からそれらの歌を書籍化したいという打診があった。しかし、手元には一首もなく、依頼した所有者から改めて短歌を提供してもらう必要がある。
悩んだ末、所有者に呼びかけると300首以上の短歌が集まった。その中から100首のお題と短歌を収載し「あなたのための短歌集」(ナナロク社)が刊行された。

新型コロナ禍で仕事を失うなど、様々な困難に直面し悩む依頼者も多い。木下さんはこんなふうに短歌で応える。
お題〈頑張らなくてもいいんだよと思える短歌をお願いします〉という切実な声の依頼者には、

「もがくほどしずむかなしい海だから力を抜いて浮かんでいてね」

とそっと寄り添う歌を。

書籍化に際し、木下さんは短歌の対価は依頼者からすでにいただいているとし、印税は様々な歌集を購入してそれを学校などに寄贈する費用に充てたいと申し出た。「短歌の未来を担うのは子どもたち」という思いからだ。

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