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2019年06月14日

お年寄りの出迎え・送迎・同行サポート―「ベルサポ」の活動

シニアを対象にした新しい発想のビジネスを紹介しよう。地方から東京に出てくる高齢者の、出迎え、送迎、同行サービスを提供する『株式会社ベルサポ』だ。起業した松下正宏さんに、そのサービスの内容とベルサポに対する思いを聞いた。

自らの体験もとに起業
「ベルサポ」の松下さんに聞く

松下さんが高齢者の送迎、同行サービスを思いついたのは、自らの経験からだ。
「九州出身の私が東京に出てきたのは30歳のときです。以来東京での生活の方が長くなりました。その中で多く経験したのが、親や親戚など地方から東京に出かけてくる高齢の人たちの出迎えです。中には私と同世代の友人の出迎えもありましたが、そんな若い世代の人でも大都会の東京に出てくるのは大変なことです。人は多いし交通量も多く、気疲れもします。それが高齢者なら負担はどれほどのものでしょう」
しかも松下さんは、東京のこういったケアは外国人に対して手厚く、日本人には向けられていないという。

「行きたい所に行ける」
元気な高齢者の姿を見たい

「実は東京に行きたくても、行けないという人たちが大勢いるんです。それに、2020年には東京オリンピックも開催されます。そのとき地方から東京に行きたいという人は大勢いるでしょう。行きたいところはあるのに、ひとり、または老夫婦だけでは不安で出かけられない。そういう高齢の方たちのためになりたいと思ったのです。また、行きたいところに行けるということで、その高齢の方たちが元気になってくれたら嬉しいと思うのです」
そして松下さんは個人事業として『東京ウエルカムサポート』を立ち上げた。さらに、東京から地方に行く人たちに同行する『レッツゴーサポート』もスタートする。

「亡き主人の故郷へ墓参り」
20年間の思いも叶える

これらの個人事業と現在のベルサポを通して、松下さんにはもっとも鮮明な記憶がある。
「故郷である四国に行きたいという70歳代後半の女性を、知り合いに紹介いただいたことがあります。その方はご主人を亡くしてからずっと自宅にこもり、軽い鬱に近い状態にあったようでした。聞くと最後に四国を訪れたのは昭和の時代。ですから四国に行って自分やご主人の実家を訪ねたり、お墓参りをしたという思いを20年ほども抱えていたのですね」
そして松下さんは旅行の打ち合わせの場で、人が変わっていく様子を初めて見たという。
「旅行についての確認などをしているうちに、女性の目がどんどん輝いていくんです。そして仕舞いには『旅行にいくんだから体力をつけなくちゃ』と屈伸運動まで始めたんですよ。それを見て、人には元気に生きる上で夢や目標が必要なんだと改めて思いました」
その場にいた女性の知人も『あれほどイキイキとした表情は初めて見また』と言ったそうだ。
その女性には自身も旅行好きの女性スタッフを手配。帰途の電車の中では次はどこ行こうかと盛り上がったという。

人気スポットは浅草
リラックスできる接客を


一方、地方から上京する人にとっての人気のスポットを聞くと、浅草、アメ横、スカイツリー、東京タワーなどが人気に集中するという。
「いわゆる江戸情緒のあふれる場所が人気です。また、日本遺族会の方の利用も多いのですが、その方たちの目的は靖国神社です。戦時中共に闘った戦友を、死ぬ前に一度参拝したいと。そういった方たちは戦時中の話も聞かせてくださいますが、それは万感迫るものがありますね」
ベルサポはあくまでも出迎え、送迎、同行サービスを提供する企業だ。旅行する場合は利用者自らが旅行計画を準備することになる。自立歩行ができる、自分で身の回りの世話ができる人の利用に限られる。
「出迎え、送迎、同行の際、私たちが大切にしているのは〝元々の知り合いのような〟接客です。いろいろな面で緊張していらっしゃるでしょうから、できるだけリラックスしていただきたいですね」

ベルサポの料金設定は下記の通り。
基本料金=1時間5千円、追加料金=30分単位で1000円。羽田空港での待ち合わせは別途2000円増し、東京23区以外での待ち合わせは別途見積もり。

(株)ベルサポ
TEL:03−6322−1080(月~金曜日10時~18時)
FAX:03−6745−4989。

http://www.berusapo.jp/

※本稿は日本老友新聞平成26年11月1日号に掲載した内容を
BSテレビ東京『カンニング竹山の新しい人生、始めます』にて紹介されたことを受け
改めてWEBサイトに掲載しました。

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