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2017年07月31日

ウォーキングの前にまずはフットケア!健康寿命を延ばす足の健康維持の秘訣とは…?

先月号の1面では、ウォーキングの記録をネット上で記録し、日本一周分の距離を歩くことを目指す「バーチャル日本一周歩こうかい」の活動を紹介した。健康寿命を延ばすためにウォーキングが良いということは分かっているが、その前提として、しっかりと歩けるだけの健康な足がなければ始まらない。今月は健康寿命に直結する足の健康維持についてまとめてお伝えしよう。

運動機能低下が「要支援」の原因に

厚生労働省が公表している「平成26年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は80.50年、女の平均寿命は86.83年。日本人の4人に1人が65歳以上となっている。医療技術が向上し、福祉も充実される中、長生きするのは当たり前で、いかに健康寿命を長く保ち、豊かな老後を送るかが鍵となる時代である。

健康を保つために日常注意をしていることは何であろうか。健康診断を定期的に受診することはもちろん重要である。しかし、検査の結果に異常が無いとしても、年を重ねるごとに身体は衰え、筋力も落ち、動くことが億劫になってしまう。そのまま何も対処しなければ、いつのまにか閉じこもりになったり、ゆくゆくは寝たきりの生活になってしまうこともあるのだ。

「ロコモ」という言葉をこれまで何度か取り上げた。正式には「ロコモティブシンドローム」、日本語では「運動器症候群」というもので、立ったり歩いたりといった日常的な運動機能が低下している状態を指すもの。骨や筋肉量のピークは20~30代がピークで、その後は年々と衰えていくものだが、適切な栄養摂取や運動刺激によって、衰えを遅らせることはできる。
要支援・要介護状態になる最大の原因は運動機能の障害によるもの。人生最後の瞬間まで、自分の足で立ち、歩けるようにしたいものである。

では、「足の健康維持」についてポイントをお伝えしよう。

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外反母趾は肩こり・頭痛誘発も
足の体重を支える「爪」も大切

■足のサイズを知る
自分の足のサイズについては、自分自身が一番良く知っているものと思いがちだ。普段、靴を購入する際にも、自分の足のサイズは何センチだとあらかじめ分かっているので、そのサイズのものを購入することだろう。しかしそれは、本当に適切なサイズなのだろうか。
若い頃からいつも同じサイズの靴を購入している人はいないだろうか?足のサイズは年月の経過によって変わるものであるし、さらに同じ日でも時間帯によっても変わる。自分の足のサイズを改めて見直してみると良い。

また、通常足のサイズというと、かかとから指先までの長さを示すものだが、それだけではなく、足の幅や甲の高さも人それぞれサイズが違うもの。一度、自分にピッタリな靴のサイズを専門家に選んでもらうと良いだろう。

■足の病気のチェック
足にまつわる病気は様々ある。しかし、自分の足をじっくりと見つめてチェックする機会はなかなかなく、どうしても見過ごされやすい。ここでは代表的な足の病気を紹介する。

①外反母趾
外反母趾とは、足の親指の骨が変形し、根元部分が外へ張り出したり、指の先端部分が小指側に曲がり「くの字」状態に曲がっている状態である。痛みが出たり、骨盤のゆがみにも影響をしたり、肩こりや頭痛を誘発することもある。足に合わない靴を長く履き続けることが原因となる場合がある。

②イボ
ウイルス感染による病気で痛みが生じる。自分で取ろうとすると他の部分へ感染するなど悪化するため、必ず専門医を受診して治療をすること。すること。

③水虫(白癬)
カビの仲間の菌に感染して発生し、皮膚のたんぱく質を餌にしている。常に足を清潔に保つことで予防できるが、感染してしまったら皮膚科を受診して薬による治療を行なう。
また皮膚だけでなく爪にも感染する爪白癬もあり、爪がぼろぼろになったり変形してしまったりする。爪は足の体重を支えるための重要な役割持っているため、もし異常を感じたら皮膚科を受診すること。

毎日自分の足を観察しよう!
ひび割れ、皮むけ、炎症など

足の健康を保つために欠かせなのは、やはり日頃のケアである。フットケアのポイントを紹介しよう。

①足をよく観察する
先ほども書いたが、自分の足をじっくりと見つめる機会はあまり無い。しかし、足に変化や異常が起きていないかをチェックするためには、足の状態を普段から知っておく必要がある。皮膚や爪などを毎日観察する習慣をつけてみよう。
皮膚がひび割れていないか(皮膚の乾燥や水虫が原因のことがある)、赤く炎症が起きていないか(合わない靴を履いているなどで傷がつき、炎症を起こしていることがある)、皮が剥けていないか(水虫の可能性がある)など、自分の目で確かめて早めに異常を発見出来るようにしたい。

②爪の手入れ
風呂上りなど、爪が柔らかくなっているときに爪を切るとよい。爪はまず水平にカットし、両角のとがった部分を切り落とし、やすりで滑らかに仕上げる。あまり短く切りすぎないこと。

③保湿クリームでマッサージ
乾燥を防ぐためにハンドクリームなどを塗る。皮膚部分だけでなく、爪にも塗ると良い。ゆっくり時間をかけて、揉んだり撫でるようにして塗りこむとマッサージ効果も期待できる。足先は血行も悪くなりやすいのでお勧めである。

足は身体を支えるための基本となる重要な部位である。髪や顔、歯と同じように毎日ケアし、元気に歩ける足を維持していただきたい。(老友新聞社)

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