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コラム

2020年11月05日

「家畜の匂いの中で育った幼い日…」~本紙読者投稿より

痛む足を庇いながら夕方散歩に出かけると、子犬を一匹、または二匹も散歩に連れた方によく出会います。犬好きな私は声をかけて近寄ります。

 

―幼い日。私の家は動物と一緒に暮らしていました。牛に鶏、兎に犬猫と大変賑やかでした。牛は父、祖母は鶏、私は兎をそれぞれが世話を分担しました。私は兎の好む草を集める役でした。

父は子犬を猟犬として育て、狩に連れて行き、牛は犂引きに、春の田起こしに使う。鶏は卵をとり、そして古くなれば食用にしました。兎も食用でした。

当時は肉はおろか、魚すら買える所は無く、完全に自給自足の生活でした。池や小川の鮒、鯉、ドジョウくらいしか食べた記憶がない。ネズミ捕りのために猫を飼うが、犬は希にしかいなかった。

戦後の生活の向上で各家から小動物が消え、一時は大型犬が登場し、怖い思いもありました。

 

近年は核家族化が進み、愛玩用の子犬が増えました。大家族の頃では考えられない現実です。

狩に行った犬のダニ取りや、猫の蚤取りに動物の温みに触れた昔。当時は不衛生だったかも。でも病む人は少なく、のびやかだった。そんな昔のことを辿る老いの日々です。(静岡県 S・O)

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