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三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

2023年10月23日

連載26「賞レース」

秋らしい日が続き嬉しい限りです。
夏が暑すぎたせいで今になって蚊が出てきてますが。
あと熊がやたらと出没するのは猛暑でどんぐりが不足したせいで人里に出てるそう。
野菜も高値ですし困ったことだらけですね。

気がつけば年の瀬が近づきつつあるので、テレビでのお笑いの賞レースが話題にあがり始める時期になりました。
コントのキングオブコント、ピン芸のR-1、そして漫才のM-1。
どれもテレビで全国放送され、優勝すれば一晩でスターになれるため多くの若手お笑い芸人の目標になっています。
ちなみにR-1のRは落語のRで、初期は座布団の上で芸を披露するという縛りもありました。
いつに間にやら無くなってましたが。
私も過去二回予選に出場してますが座布団の用意は無く、学校で使う机の上に直で座って落語をしました。
落語にまったく興味の無いお笑いマニアのお客様の前での二分間の高座は、無音すぎて「ここ宇宙かな」と思うくらいでした。
Rの由来なのに…

さて落語界にも賞レースは大小いくつも存在します。
基本は我々のような若手の二ツ目用で、真打になるとあとは国からの文化勲章などになるのでちょっと意味合いが変わってきます。
数ある中でも一番の注目度を集めるのがNHK新人落語大賞です。
50年以上の歴史を持つ由緒ある大会で、人気のある師匠はたいてい大賞、もしくは本選に進んでいます。
そしてなにしろ地上波で放送ですから我々も気合の入る夢の舞台。
ただ、お客様の前で予選を何度も重ねる他のお笑い賞レースと違い、スタッフさんの前で行う予選が一回のみで次がいきなり本選です。
東京からは60人程が出場し、そこから急に本選出場者3人が選ばれるのでいまいち自分がどれくらいの位置にいるのかなどが分かりませんでした。

それがこのコロナ禍で変化がありました。
それまでは全員がNHKのスタジオで落語を披露していたのが、2020年からは自分で撮影した映像をアップして、合格した人だけがスタジオでの予選に進める映像審査の導入です。
’20年と’21年はこの方式でしたが、’22年は元通りの全員スタジオでの審査に戻りました。
’21年の映像審査には合格してたので、選ばれた十数人だけがスタジオに行ける感じが特別感もあり、元の方式に戻ったのはちょっと寂しかったです。
ですが今年はまた映像審査が復活!
やっぱり全員見るの大変だって再認識したんでしょうね(笑)

そして私は今年も映像審査を勝ち進み、先日スタジオでの審査の結果発表がありました。
またも不合格!
なかなか本選には進めず…
正直M-1などと違い、この大会で優勝すれば人生が変わる!というわけではありませんが、そもそも落語はあまり見てもらう機会の少ないマイナージャンルなので数十万単位の人が見てる地上波放送自体が大変なチャンスです。
また地方にいる全然会えてない学生の頃の友人や親戚に見てもらえますし、今まで応援して下さった方に『応援しててよかった!』と思ってもらえる恩返しにもなります。
むしろそっちの側面の方が大きいかもしれません。
ただNHK新人落語大賞は11分という制限時間があるので通常15~20分近くあるネタを削ったり編集したりする作業が、自分にしか出来ないことはなんだろうと考えるいい機会になったりもします。
来年こそはもっと工夫して吉報がお知らせ出来るよう頑張ります!
Nネタを H激しく K改造!
では!

第二十六回『賞レース』

お知らせ

三遊亭ぽん太の月例落語会 ぽん太ラボ vol.41 演目:三十石、他

三遊亭ぽん太の月例落語会
ぽん太ラボ
vol.41 演目:三十石、他
日時・10月28日(土)14時開演

三遊亭ぽん太の月例落語会 ぽん太ラボ vol.42 演目:中村仲蔵、他

vol.42 演目:中村仲蔵、他
日時:12月23日(土)14時開演
会場:池之端しのぶ亭
料金:予約1500円、U25割1000円、ぽん太初めて割500円
予約、問合せ:pontathe2nd@gmail.com

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三遊亭ぽん太
  • 三遊亭ぽん太
  • 落語家
  • 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて140席以上ある
  • ぽん太さんのHP
    https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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