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2018年05月30日

「みんな八十同窓会の 幹事十年惚けられず」2018年4月入選作品|老友都々逸

老友新聞2018年4月号に掲載された都々逸入選作品をご紹介いたします。(編集部)

天の位

みんな八十同窓会の
幹事十年惚けられず

櫓木 香代子

当然ながら雅友みな同年。それにしても八十歳の同期会は羨ましくもあり、お世話人のご苦労が如何ばかりかと拝察。

地の位

遠い故郷(ふるさと)思えば恋し
ひとり手酌で偲ぶ母

惣野代 英子

「土手のスカンポかっこう鳥よ なんぼになっても母の夢」という都々逸があるが、故郷・幼い頃は懐かしい。

人の位

雪の山脈春の陽浴びて
ちょっと片肌覗かせる

飛田 芳野

雪の山脈の見立てがちょいと覗かせた若い衆の片肌とは何とも鯔背(いなせ)。

十 客

娘生んだはついこの間
娘 笑顔の孫を抱く

孫も可愛いが母の眼は孫より娘を見ている。母親のこの感覚に魅かれる。

向井 智恵子

世話になったよダイヤル電話
せめて座ぶとん敷いてやる

山田 浩司

壁掛け電話、公衆の赤電話…。みんなお世話になりました。

何も書けずに物理の試験
寝汗びっしょり目が覚める

福田 浩明

高校時代の、それも物理の試験を未だ悪夢として見るとは、かつて秀才だった方なのでしょう。

昨日今日さえすっかり忘れ
ケセラセラとて暮らす日々

岡本 政子

嫌なことは自分の人生に入り込むことさえさせなくなり、♪なるようになる―のあるがままに生きますよ、と明るく歌っています。

好きなお方に好きとも言えず
征って来るぞと行ったまま

仲野 まつ乃

町中が日の丸の小旗を振って「露営の歌」―勝ってくるぞと勇ましくを歌って。

梅の香りとあわせてすする
熱い甘酒幸二人

王田 佗介

早春の点景。梅園までお二人で足を運べる幸せを甘酒の湯気が迎えています。

衣裳替えして洒落てはみたが
皺の問屋に大笑い

岩崎 ますゑ

「皺(しわ)の問屋」の諧謔(かいぎゃく)(ユーモア)を自身のこととして使いこなしています。

初のソバ打ち更科そばが
讃岐うどんに変化する

野口 義和

単に太さの比較の蕎麦とうどんなのに、固有名詞を使うことによって笑いを増幅させています。

世界に誇れる郷土の宝
三保の松原雪の富士

鈴木 とく

静岡県のほとんどの方々の気持ちでしょうね。

心おきなく話せる友は
私にとっての宝物

天野 照華

その通りですね。

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