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2019年09月03日

小さなお子さんでも、何か戦争のことが分かるのではないか…手で触れることのできる資料も展示「兵士・庶民の戦争資料館」(福岡)

福岡県小竹町にある「兵士・庶民の戦争資料館」は、軍服や鉄兜、背嚢など戦時に兵士が身に着けた品や銃後の生活用品など、戦争にまつわる品々約2500点を所蔵する個人資料館である。
創設したのは武富登巳男さん。武富さんは太平洋戦争中、旧陸軍の飛行部隊で偵察任務に携わり、シンガポールで終戦を迎え帰還した。そして終戦から34年後の1979年に、「戦争は伝え続けないと忘れられる」と、自宅の一部を改装し私設展示室を開き無料で開放した。2002年に登巳男さんが亡くなった後は、子息の武富慈海さん(僧侶、副館長)が運営に当たっている。

展示室には「(展示品に)手に触れてください、触ってください」と書かれたプレートがある。慈海さんはその意図をこう話す。
「例えば、軍服を着てみると小さいわけです。当時の兵士の体格は僕たちより小さかったと話すと皆さん納得します。服自体は入隊した時に支給されるわけです。普通の今の子なら『もうちょっと大きいやつに変えてください』と言いますよね。そういうことを上官に言うと、おまえの体を服に合わせろと叱られる。非常に理不尽なことを言われるんだけど、そういうのが軍隊だよという話をします。そこから何か戦争のことが、小さいお子さんでもわかるんじゃないかと思うのです」(NHKラジオ第二「宗教の時間・戦争遺品のこころ」)

戦後生まれが総人口の8割を超え、時代が経過するにつれ戦争体験世代は減少する一方。改めて“風化する戦争体験”を考えさせられた令和の8・15終戦記念日だった。(老友新聞社)

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