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三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

三遊亭ぽん太の下町寄席からこんにちは!

2024年04月30日

連載32回「渡米」

もう一気に初夏ですね。
40年近く生きてますが毎年春はどんな格好が正解か分からないまま過ぎ去っていく気がします。
さてつい先日、アメリカ公演から帰国しました。
なぜアメリカで落語をすることになったかを説明すると長くなるので割愛しますが、一週間でミシガン州とシカゴを巡り、六公演を行う弾丸ツアーでした。
海外で落語をするのは初めてでしたけども結論から言うと物凄く盛り上がりました。

ミシガンのデトロイト日本商工会(JBSD)の協力でデトロイト美術館やシカゴ大学、ミシガン州立大学など日本文化に関心の高い機関を中心に公演を行いました。
お客様はもちろんアメリカ人なので(現地の日本人の方もいますが)、僕は英語が一切出来ないため字幕を用います。
台本の翻訳は現地で日本の文学や演劇を研究しているシカゴ大学の先生にお願いし、細かい調整はアメリカ在住歴のある妻にお願いしました。
日本語と英語では文法がまったく違うため文章を読んで笑いが起きるタイミングなどが分からず全部丸投げです。
本当にすみません…

そのおかげもあって日本以上のリアクションを頂けました。
もちろんただ普通に落語をやっただけではお客様も入り込めないので、最初にデモンストレーションで落語の説明をしたり、手拭いと扇子で今何をしているのかを当ててもらったり、また実際のキセルや江戸時代の本の挿絵で長屋がどんなものか見てもらったりと、クエスチョンマークが出そうなところを丁寧に取り除く作業をしました。
私はもちろん日本語です。
これも横で同時通訳をしてもらうのですが、私がちゃんと台本を覚えられないのでざっくりと進行が書かれたiPadを見ながらのアドリブ入りトークとなり、だいぶご迷惑をおかけしました。
本当にすみません…

ネタ自体も字幕通りに喋らなくてはいけないため結構神経を使います。
字幕はパワーポイントで表示したのですが、操作担当は妻。
気を遣ったつもりでも普段がいい加減なためセリフ間違えや会話がてれこになるなどして、稽古しなさいとかなり妻に怒られました。
本当にすみません…

ただ全公演、本当に好感触でした。
会場によって日本語話者と英語オンリーの方の割合が違うので反応はそれぞれ違いましたが、それでもどの会場でも一体になって笑ってくださいました。
あまりの笑いの量に日本に帰りたくなくなるくらいで。
人生初のスタンディングオベーションもありましたし。
それになぜか肌荒れが治りました(笑)

まったく規模は違いますが、K-POPきっかけで韓国を好きになる人がいるようにこの公演で日本を好きになってくれたり興味を持つ人が増えたのでしたら嬉しく思います。
世界情勢がますますきな臭くなる中、文化で愛着を持ってもらうことは平和に繋がるとたくさんの方に声をかけていただくく中で実感しました。
また機会があれば渡米したいと思います。
もちろんアメリカだけでなく英語が通じる国でしたらどこでも!
ただ次回はちゃんと字幕に合わせる稽古をしてから伺います…
本当にすみません…
あ、アメリカ公演の詳細は今度の定例落語会でたっぷりお話しします!
よければ!

お知らせ

三遊亭ぽん太の月例落語会

三遊亭ぽん太の月例落語会
ぽん太ラボvol.45 演目:柳田格之進、他
日時・5月11日(土)14時開演
会場・池之端しのぶ亭
料金・予約1500円、U29割1000円、ぽん太初めて割500円
予約、問合せ・pontathe2nd@gmail.com

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三遊亭ぽん太
  • 三遊亭ぽん太
  • 落語家
  • 1985年2月24日生まれ / 愛知県名古屋市出身 / 法政大学社会学部卒 / 2015年2月に三遊亭好楽に入門、前座名「好也」 / 2018年11月二ツ目に昇進「ぽん太」を襲名 / 現在、持ちネタは古典新作合わせて140席以上ある
  • ぽん太さんのHP
    https://pontathe2nd.amebaownd.com/
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