趣味
2024年03月28日
「救援の炊出しスープ息白し」2024年3月入選作品|老友俳壇
老友新聞2024年3月号に掲載された俳句入選作品をご紹介いたします。(編集部)
天
救援の炊出しスープ息白し
王田 佗介
能登地震被災者への炊出しでしょう。温かいスープを飲む人、そのスープに並ぶ人の白息です。寒気のなか吐くこの白息には、言葉に尽くし難い困難に耐えて生きる人々の生命力を感じます。
地
抜歯して枯野を帰る夕茜
近藤 貞子
抜歯あとの麻酔も覚め切 らない状況を想像しましたが、蕭条とした枯野を行く心もとない心情が伝わります。茜色の空が不安感に及びそうです。
人
木枯や夜通し灯る部屋のあり
田原 きよ子
受験生でしょうか、あるいは灯し続ける事情がある人の部屋です。この状況を案じつつ、それとなく見守る作者ですが、作者の灯も同じように灯ったままです。
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