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医療と健康

2021年07月26日

仕事は時間より質重視

国立がん研究センターや大阪大学などの研究チームが「50代以上の男性の長時間労働は急性心筋梗塞の発症リスクを高める」という調査結果を発表しました。
この調査は労働時間と急性心筋梗塞・脳卒中症との関連を調べる目的で行われたもので、調査開始は1993年です。対象となったのは当時40~59歳だった男性約1万5千人。約20年間追跡調査したところ、結果は、以下のようなものでした。

・1日の労働時間が11時間以上のグループは7時間以上9時間未満の基準グループと比べて、急性心筋梗塞の発症リスクが1.63倍高い
・「勤務者」では基準のグループと比べて11時間以上の長時間労働で、急性心筋梗塞発症リスクが2.11倍高い
・追跡開始時点の年齢が50~59歳では、同様に急性心筋梗塞発症リスクが2.60倍高い
一方で、労働時間と脳卒中との関連はみられませんでした。

2019年4月以降、働き方改革関連法案の成立によって残業時間には新たな上限規制が設けられました。時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、違反すると罰則が付きます。さらに臨時的、特別な事情があっても上回ることのできない上限が法律に規定されました。
規制の数値の甘さを指摘する声もありますが、日本のあしき労働慣行を改める転換点としたいものです。

仕事は、「志事」であるべきであり、「死事」にしてはいけません。生産性や働きがいなど、労働の質を高める努力を企業は一層していく必要があります。

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山本 晴義 医師
  • 心理カウンセラー

日常よくある心の悩みについて、山本先生が解説します。心を健康に保ち、毎日健やかに過ごしましょう!

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