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医療と健康

2022年10月18日

高齢者に多い睡眠障害の悩み

秋の夜長。読者の皆様は毎晩ぐっすりと眠れているだろうか。もともと人は歳をとるにつれて睡眠の質が低下してゆく傾向があり、健康にも悪影響を及ぼすことも多くある。今月は高齢者に多い睡眠障害について取り上げよう。

睡眠の質を下げる原因

睡眠は年齢とともに変化をしていくもの。若い頃は何も問題なく朝までぐっすりと眠れて、たとえば6時間睡眠で十分だったという人でも、高齢になると床についてもなかなか眠れなくなってしまったり、真夜中にトイレに起きてしまったり、床についている時間は十分に長くても、朝起きると睡眠時間が足りないと感じたりするなど、睡眠の質が低下してしまうケースが多くある。

歳をとると体力が落ちたり、視力・聴力が弱くなったり、食欲も落ちたりする。それと同じように、睡眠をとる能力というものも低下してゆくのだ。
睡眠にまつわる問題は数多く、それらを総称して睡眠障害と呼ぶが、原因もさまざまであるため、それぞれ対処法や治療法は異なる。

高齢者の睡眠の特徴

高齢になると睡眠そのものに変化が生じてくる。まず第一に、早寝早起きになることである。これは本紙読者も「確かにそうだ」と思われる方が多いのではないだろうか。高齢になると、血圧や体温の変化、ホルモンの分泌など睡眠に関係する生体リズムが早い時間帯へとずれてくるからである。

また、睡眠が浅くなるというのも高齢者の睡眠の特徴の一つである。夜中、ちょっとした物音でもすぐに目が覚めてしまったり、また少しの尿意でも目が覚めてトイレに行きたくなる。人は、眠っている間に深い眠りと浅い眠りを周期的に繰り返しているのだが、浅い眠りの割合が多くなってしまうためである。

早寝早起き、睡眠が浅い
床に就いている時間長い

さらに高齢者に多いのが「床に就いている時間が長い」というケースである。やることがない、体を起こしているのが億劫だからという理由で、とくに眠いわけでもないのに床についてしまう。思い当たる節はないだろうか。
眠くもないのに床についていると、余計に寝つきが悪くなったり、いわゆるウトウトしている状態が多くなり、浅い眠りの時間が増えてしまって、その結果睡眠の質が低下し、よく寝たという感覚も得られなくなってしまうのだ。

グラフ1を見ていただくと分かる通り、高齢になればなるほど睡眠時間が短くなり、また深い眠りの割合も少なくなっている。一方でグラフ2を見ると、高齢者ほど床に就いている時間が長い。これが睡眠の質を下げてしまう原因の一つである。
(厚生労働省e―ヘルスネット「高齢者の睡眠」より作図)

80歳以上の3人に1人が睡眠障害
生活習慣病、免疫力低下のリスク

■睡眠障害
高齢者は高ストレスやうつなどの精神疾患など様々な疾患の副次的症状として、そして生活習慣によっても睡眠障害が現れることがある。今回は最もよく見られる睡眠障害である「不眠症」について説明しよう。

不眠症は、夜になって床についてもなかなか寝付けない「入眠障害」、夜中に途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、起床時間よりも早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠りが浅くてぐっすり寝たと感じられない「熟睡障害」などの症状が1か月以上続き、日常生活にも支障が生じる状態である。これらの睡眠障害で悩む高齢者は多く、実に80歳以上では3人に1人が睡眠障害の症状があると言われている。

不眠症の状態が長く続くと、単に寝不足になるだけではなく、体に様々な悪影響が現れる。血圧が上昇したり、血糖値のコントロール状態が悪くなったりするため、生活習慣病のリスクが高まってしまう。また免疫力が低下するため風邪などの病気にかかりやすくなることもある。さらにホルモンバランスが崩れることで過食になったり、精神バランスが崩れて高ストレス状態、うつ病になるリスクも高まってしまう。

■不眠症の原因
不眠症の原因は様々だ。たとえば「明日は大切な用事がある。そのため早く眠らなければ」このよう考えれば考える程、余計に眠れなくなってしまう事があるだろう。不安や緊張などの精神的ストレスによって不眠症となることがある。

さらに高齢者の場合には、ひざ痛や腰痛、肩こりなどの慢性的な痛みを抱えていることがあり、その痛みのために眠れない、眠りが浅くなることがある。痛みのほかにも、皮膚のかゆみや足がむずむずするなどの症状を抱えていると不眠症になることがある。

睡眠のリズムを整える

生活習慣や睡眠環境の見直しによって睡眠障害を改善できることもある。

まず、睡眠のリズムを整えるために、朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びること。一日は24時間であるが、実は人の体内時計は25時間サイクルであり、毎日1時間ずつ睡眠サイクルがずれてしまうと言われているが、太陽の光を浴びることで体内時計をリセットし、睡眠サイクルを整えることができる。また日中もできる限り活動的に過ごして、起きている時と眠っている時のメリハリをつけること。

喫煙、飲酒、カフェインの摂取は睡眠の妨げとなるため、眠る前は控えること。お風呂はぬるめのお湯にゆっくりと浸かるようにする。お風呂から上がったあと、少し時間が経って、ちょうど体の熱が下がってくる頃が一番入眠しやすいタイミングと言われている。また眠る前に体を激しく動かすようなことは禁物。テレビやパソコン、スマートフォンなどの光刺激も眠る前は控えること。

これらの方法を試してみても改善しない場合には、投薬による治療も選択肢となるので、一度専門の医師に相談をしてみると良いだろう。

 

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