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医療と健康

2023年09月07日

猛暑日最多 夏バテの解消法

毎年思う事であるが、今年の夏はとくに暑かった。東京都心では気温35度以上に達する猛暑日を観測した日数が過去最多を更新したほか、全国各地で最高気温が40度に迫る体温超えが記録された。高齢者にとってはまさに危険な暑さとなった今年の夏。まだまだ残暑も厳しく、夏バテという人も多いことだろう。今月は夏バテの回避、解消法についてお伝えする。

自律神経の乱れが要因
倦怠感や食欲低下の症状

日本の夏はいつからこんなに暑くなってしまったのか。突然土砂降りの雨が降り出すゲリラ雷雨や、じめじめとした高い湿度。まるで熱帯雨林気候のようである。

気温が高く、かつ湿度も高いと熱中症も起こしやすくなり、熱中症で救急搬送された人の数も連日報道されるほどである。夏バテは熱中症ほど深刻な状態ではないものの、倦怠感や食欲低下、頭痛やめまい、そして睡眠障害などを引き起こすために決して侮ってはいけない。

冷房の効いた涼しい部屋で過ごしていれば夏バテにならないと思いがちだが、実はそうではない。夏バテは熱中症と異なり、自律神経の乱れから引き起こされることが多く、冷房の当たりすぎでも夏バテになってしまうことがあるのだ。

自律神経は交感神経(興奮、緊張をさせる働きをもつ)と副交感神経(休息、リラックスをさせる働きをもつ)の2つが互いにバランスを取り合うようにして体の様々な機能を調節してくれている。この自律神経は自分の意志とは無関係に働くもので、たとえば体温調節なども自律神経の働きによるものである。外気温が高い場合、そのままでは人間の体温もどんどん上昇してしまう。体温を下げるために汗をかき、その汗が体表面から蒸発する際に熱を奪う。そうすることで体温を約36度一定の状態に保ってくれるのである。

自律神経はほかにも心臓の鼓動や血圧、呼吸、食べたものを消化するなど、体内の様々な働きをコントロールしている。この自律神経が夏バテによってうまく働かなくなってしまうと、体に大きな影響が出てしまうことがお分かりいただけるだろう。

実際に夏バテになると次のような症状が現れる。

■食欲減退
夏バテによって自律神経が乱れると、食べ物を消化する胃腸の働きが低下するため、食欲不振や胃もたれなどが生じる。
食事量が低下すると、とくに高齢者の場合には低栄養状態に陥り、体力も低下してしまう。
また食事から摂取できるビタミンやミネラルなども不足すると体に様々な悪影響を及ぼす。食事量が低下すると、それに合わせて水分摂取量も低下することが多く、脱水状態に陥ることもある。

■睡眠障害
休息、リラックスをさせる働きをもつ副交感神経の働きが低下すると睡眠の質が低下して寝つきが悪くなったり、夜間に目が覚めてしまったりするなど、睡眠が妨げられてしまう。睡眠不足状態が続くと頭痛やめまい、集中力、体力の低下にもつながる。

■疲労の蓄積
交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより倦怠感や疲労が蓄積してしまうことがある。また先に説明した食欲不振による低栄養状態や、睡眠不足も重なると余計に疲労が蓄積してしまうことになる。

■ストレスの蓄積
自律神経が乱れることにより、不安感やストレスが増加してしまうことがある。また十分な睡眠がとれないこともストレスにつながってしまう。
以上のような症状が重なり合うようにして起きると、それぞれが悪影響を及ぼしあってしまうことでどんどん夏バテが進行してしまうのだ。

夏バテの原因と回避法

では、夏バテを引き起こしてしまう具体的な原因を見ていこう。原因を知ることで夏バテを回避することもできるだろう。

まず食事について。暑いからといって冷たい飲み物や麺類などばかり口にしていないだろうか。胃腸が冷えてしまうと働きが弱まり食欲が低下してしまう。また便秘や下痢など胃腸障害を引き起こし、満足な食事がとれなくなってしまうこともある。食事量が減ってしまったり、偏ったメニューの食事ばかりだと必要な栄養素が補給できず、これも夏バテを進行させてしまう。
夏バテ解消・予防には栄養バランスのよい食事をとることである。豚肉や納豆、豆腐などの豆類、うなぎ、いわし、ゆず、レモン、梅干などは疲労回復に良いビタミンB1、B2、クエン酸などを多く含む食材であるため積極的に取り入れていただきたい。

エアコンの使い方によっても夏バテを引き起こしてしまうこともある。熱中症予防のため、適切なエアコン使用がすすめられているが、体を冷やしすぎてしまうのも良くない。自分の部屋のエアコンならば、自分にとって丁度よい温度設定にすることができるが、オフィスやデパート、電車内などではそうもいかない。このような場所では強めに冷房が効いていることがあるので、いつでも羽織れる服を持参するなどの工夫が大切だ。

また冷えた場所から急に暑い外へ出たり、また冷えた場所へ戻るなど、涼しい場所と暑い場所を行ったり来たりを繰り返すと自律神経の働きが乱れてしまうので注意が必要だ。
夜、ぐっすりと眠り疲労を回復させることも夏バテ予防には大切だ。暑くて眠れない場合にはエアコンのタイマー機能を上手に利用すると良い。床に就く前にあらかじめ部屋を冷やしておき、眠りにつく際には設定温度を上げて28度から30度くらいにする。真夜中、外気温が下がり始めるタイミングでエアコンが切れるように設定しておけば冷えすぎることもないだろう。

まだまだ残暑は続く見込みだ。夏バテになりにくい生活習慣を心掛け、万全の体調でこの暑い夏を乗り切っていただきたい。

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