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2022年11月01日

日米共同開発のアルツハイマー治療薬「レカネマブ」に期待。

亡き母が、「日付を思い出せない」など認知症の症状をみせはじめたのは60代の頃だった。当時、まだ珍しかった認知症外来を探して診察に連れて行ったが、処方薬はなかった。齢を重ねるに従い症状は徐々に進行し、やがて家族の名前も思い出せなくなった。

日本には600万人の認知症患者がおり、そのうち7割の400万人がアルツハイマー型といわれる。そうした患者、介護をする家族の人たちなどが待ち望んでいた治療薬が、年度内に承認申請されるというニュースが飛び込んできた。日本の製薬会社大手エーザイが、米国バイオジェンと共同で開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」である。

日米欧の早期のアルツハイマー型患者約1800人を対象に18カ月間投与・治験した結果、認知症の程度評価するスコアの悪化が、偽薬を投与したグループに比べて27%抑えられたという。素人にはわかりづらい数字であるが、「25%を超えれば臨床的な意義に繋がるとの見方がされてきたので、極めて重要な結果」(神経病理学専門医)という。

「レカネマブ」はアルツハイマー病の原因とされる脳内に貯まったたんぱく質「アミロイドβ」を除去し症状の悪化を防ぐことを狙う。軽度認知症、もしくは無症状でアミロイドβが貯まっている人が対象といわれる。

3年後には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている。さらに、進行した認知症患者も対象とした「夢の新薬」開発を期待したい。

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