コラム
相続の準備その14 ~本人が認知症になると預金の払い戻しも難しくなります。

今回は直接相続に関する相談ではありませんが、これも準備しておいた方がよいと考えました。
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銀行に親の定期の解約や多額の現金を引き出しに行ったところ、銀行から本人に来てもらって下さいと言われました。そこで、手続は全て私(息子)が行いますが、本人(親)も同席させました。
銀行の人は本人に色々話をされていましたが、認知症のためか預金の払い戻しに応じてくれません。本人が入院する費用や施設に入居する必要な費用だからと何度も頼んだのですが、ダメでした。
このような場合、現金の引出が困難となり、銀行からは成年後見人の手続をとるよう言われました。しかし本人としても知らない人に後見人になってもらうのは気持ちに添わないと思うし、また介護なども裁判所が選任した後見人では本人の気持ちが十分に反映しないように思われます。
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このケースのように、相続開始前ではありますが、本人の判断能力が不十分になったときのことを考えておく必要があります。
自分の考えに添った介護等を頼むのであれば、任意後見契約を締結されるのがよいです。あなたが認知症になったとき、任意後見契約に従って、後見をしてもらうことが出来ます。また認知症になった時のあなたの財産を管理してもらいたいと考える場合、あなたの信頼出来る人に一定の財産を信託し、その使用方法等を契約で定めることにより、あなたのお金を信託契約に従って使用してくれますので、あわてて後見の申立をしなければならないといった必要はありません。
いずれの場合も、あなたの財産を預けることになりますので、十分に信頼できる人を選任することが大切です。
尚、この制度の利用は、あなたに判断能力がある時に契約しなければなりませんので注意して下さい。


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