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コラム

2021年09月02日

「戦場で歌った都々逸」~本紙読者投稿より

昭和14年4月、中国に出征し、以後、復員まで八年間、中支、北支、南支へと転戦し、終戦となる。部隊の討伐戦、軍作戦に数知れず参加した。

明日、出陣と決まった日、いつもの事ながら、いつ死んでも恥ずかしくないように、身辺整理をする。夜は最後となるかもしれない宴。酒を酌み交わし、酔うと決まって歌を歌う。懐かしい同様、唱歌、軍歌、そしてこの歌も歌われた。

   ◇

万里の長城で小便すればゴビの砂漠に虹が立つ

俺が死んだら三途の川で鬼を集めて角を取る

    ◇

この歌が初めての都々逸だった。その時には都々逸というものを知らず、理解することもなく、また決して楽しくも、嬉しくもなく、喜んで歌ったわけではない。作戦に出動し、戦闘になれば、必ず数名の戦友が戦死、負傷者も出るのである。酒が入り、自暴自棄気分で歌う都々逸で、憂さを晴らして、気持ちを発散し、志気の高揚に努めたのだ。

18歳の遺書という本を読む機会があった。詫間航空隊の予科練出身の下士官、20歳前後の青年が、特効で出撃の前夜、私と全く同じ都々逸を、涙を流しながら、肩を抱き合って歌ったと書かれていた。(香川県 K・Y)

 

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