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医療と健康

2023年06月22日

フレイル予防で健康長寿

健康で、充実した生活を過ごしながら長生きをしたい、それは誰もが願うこと。まさにQOL=生活の質が大切なのだ。そのためには、フレイル予防は非常に重要だ。コロナ禍の自粛生活で、読者のみなさんの心や体、生活にも大なり小なりの変化があったのではないだろうか。フレイルとは何か、その予防で何が得られるか、どんなことを行えばいいのか改めて知っていこう。

肉体的、精神的に弱った体を回復

新型コロナウイルス感染症は、去る5月8日から、感染症法(※)上の5類感染症に位置付けられた。

※感染症法…感染症の予防や、感染症の患者に対する器量に関する法律。現在5類感染症に規定されているのは、新型コロナ感染症のほか、インフルエンザ、性器クラミジア感染症等。

ご存じの方も多いと思うが、季節性のインフルエンザは、この5類に位置付けられる(新型インフルエンザを除く)。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症となったのを機に、友人と会ったり、遠出をしたりとプランを練っている方も多いのではないだろうか。あるいは、既に行動を起こしている方も少なくないだろう。
ところが、3年半ぶりに自粛生活から解き放たれ、ようやく活動的な生活を始めようとすると、心や体になんとなく違和感を覚えるという人が増えているという。

例えば、歩くのが遅くなった、疲れやすい、社会的な人付き合いが億劫に感じられる、家事などでちょっと力を使う仕事に少し困難を感じる、また体重が2、3㎏落ちたなどということだ。これは、フレイル状態かもしれない。
フレイルとは、健康な状態と要介護状態の間の状態のこと。つまり、要介護状態の前段階とされている。
3年以上もの自粛生活で、肉体的にも精神的にも弱ってしまった人が多く、今フレイル予防が叫ばれている。

予防に3つのポイント
食事改善・運動・社会活動

一般にフレイル予防のポイントは、次の通りだ。
・栄養(食事の改善)
多様な食品を摂っている人ほど筋肉量が多く、体力もあるという調査結果がある。特に高齢になると筋肉を作るタンパク質が不足しがちになる。率先して食したいものだ。
・体力
何歳でも、体力が衰えていたとしても、トレーニングで筋力、体力は回復する。体力が衰えると、運動をする・しないだけでなく、さまざまなことが億劫になる。
・社会的参加(趣味・就労・ボランティアなど
週1回以上友人たちと交流する人は活動能力障害や死亡のリスクが低いという。
人々と交流することは、フレイル予防には不可欠なことだといえる。

これらの3つのポイントに加え、口腔ケアの重要性も高い。口腔機能が低下している人は、病気や死亡のリスクを抱えていることが調査の結果から知られている。年齢とともに飲み込む力が弱くなったり、唾液の減少といったことがおきてくる。しかし、口腔ケアをすることで食事が楽しく、美味しく、健康にもつながるのだ。

無理せずできる範囲で

さて、ここで特に体力に注目しよう。
運動と聞くと、苦手な人、好きでない人には構えてしまうことかもしれない。だが、日常の動作より少し負荷をかけた運動でよいのだ。慣れてきたらその負荷を少し大きくする。
また、インターネット上にはフレイル予防の動画が数多ある。運動初心者なら、短く、簡単にできる運動がおすすめだ。無理をせず、できる範囲で体を動かすのがコツ。
各自治体が各々対策を講じているので地元の役所に問い合わせるのも一案だ。

動画で見るフレイル予防体操

『5分で出来る!フレイル予防体操(腰痛・転倒予防)』(福島市ユーチューブ)
『5分で出来る』シリーズ。高齢者に合わせたゆったりとした内容。椅子に座ってやるものが多く、大きな動きがないので誰にでもできる。

『コロナに負けない☆おうちで簡単!フレイル予防体操』(鳥取県米子市)
同じ目的の運動でも立って行う人、椅子に座って行う人とモデルを用意し、さまざまな人を念頭において作られている。手作り感あふれる動画にも好感がもてる。

『オーラルフレイル予防~飲み込む力を取り戻す体操~』(台東区公式チャンネル)
飲み込む力をつける体操などを紹介。5分ほどの短い動画なので毎日でも気軽にできそうだ。口腔ケアの重要性もといている。
フレイル予防で長く健康に、そして楽しい日々を送ろう。

 

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