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2021年03月01日

70余年前は平均寿命今より30歳以上短かった…生死観や宗教観に変化が

「未曽有の長寿社会が生んだ信仰ゼロ社会」「仏教教団2300万人減」

――ちょっぴりおどろおどろしい表紙帯の惹句が目に留まり、本を手にした。宗教学者の島田裕巳著「捨てられる宗教」(SB新書)である。それによると平成の30年間で仏教系信者数は2300万人減少し、4分の3に縮小したという。

宗教衰退の要因は「死生観」の変化にあるという。宗教の根幹には死をどうとらえるかという死生観があり、それが変わったのだという。
平均寿命が短かった時代の死生観は、乳幼児の死亡率も高く、「いつまで生きられるかわからない」という考えがその根本にあった。日本が戦争に突入した1935年ごろの男性の平均寿命は46.92歳、女性が49.63歳だった。男女とも50歳を超えるのは1947年(男性50.06歳、女性53.53・96歳)である。生きるには苦しいことが多々あり、宗教に心の支えを求めた時代だった。
しかし戦後、めざましい経済成長に伴い人々の衣食住は豊かになり、医療も発展を遂げた。平均寿命(2018年)は、男性81.25歳、女性87.32歳と80歳を超えた。

長寿高齢化社会が到来し、長い老後を生きなければならなくなった時代、人々の宗教への期待は薄らぎ、死生観は大きく変容した。そしていま、人類はコロナ禍に直面し、多くの人々が亡くなり厳しい生活を強いられている。コロナ後、世の中はどう変容するのだろうか。

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